BEAUTIFUL WORLD.

arezzo,toscana,italia 16:30pm

b0073798_22344868.jpg

トスカーナの中くらいの町、
アレッツォが好きだということを、
どうやって伝えればいいだろう。

バスターミナルから、このグランデ広場まで続く、
ごく「ふつうの」商店街のあのイタリアの素顔を、なんて伝えたらいいだろう。

商店街は、クルマの入って来ない大きな石畳の通り、
レコードさんから、スティングの新作が流れている。
観光客の姿はほとんどない。
ましてや団体も。。
冬の夕暮れの活気、心地よい疲労感、
買い物袋を下げて家路につくひと。
食べ物の匂い、赤みを帯びながら傾く夕日。
せつなくなるような日常。

グランデ広場は、こじんまりとしていながら、
きちんと歴史の重厚さが感じられる。
広場は、大きく傾斜していて、演劇的な効果がある。
子供達がそろそろ、家に帰ろうとしている。
夕日が市庁舎の時計台に陰る。
何者かわからない、いい味だしてるおじさんをパチリ。


この広場の記憶が急に目の前で動き出したのは数年後。
映画館のスクリーンいっぱいに広がるグランデ広場を
主人公が歓声を上げながら、自転車でいきおいよく下ってゆく。
映画の名前は、「life is beautiful」。
あ、アレッツォだ、なっつかしいなあ、と感極まる。

ロベルト・べニーニ演じる主人公は、
「笑うこととか、素敵なことって、もっともつらい時に
発揮できなければ、なんの意味もないんだぜ」なんていうような
壮絶なメッセージを、まるでウインクするように、したあと、
ナチスの銃弾を数発あびて、亡くなった。

アレッツォの「ふつう」でせつない夕暮れと
ロベルト・べニーニの「ウインク」が、まざりあって、
大事なものがまた増えた。

生きてると、偶然なにかとなにかが繋がり合って、
かけがえのないミックスジュースができあがる。





BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2006-10-14 23:06