BEAUTIFUL WORLD.

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ryouanji,kyoto,japan 10:00am

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海。

白い海。
かたい海。
つめたい海。

雪がふりつもる海。
雪がとける海。

音のしない海。

うごかない海。


目を閉じていると、
しばらく閉じていると、
暗く深く蒼い宇宙に、
静かによせてかえす波の音が聞こえてくる気がする。


その波の音は、
音の粒が、まるで石のようにかたく、くっきりとしている。


目をあけると、うごかない海がそこにある。

身体のどこかで、石のようにかたい音の粒が、
そっと反響する。







BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2007-01-28 21:15

gion,kyoto,japan 17:30pm

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1月の京都、祇園。
静粛な冷気とともに、夜の帳が降りて来てくると、
茶屋の軒先に、深く奥へと続く水を打った入り口に、
祇園の灯りがともる。

日本人の、外国人の、往来を避けて、
駆け込むように、静かな甘味処の木戸を開ける。
木戸のいい匂いを感じながら、
しずかに、ぴしゃりと締める。
静寂。

ここは、舞妓さんが、裏口からするりと入ってきて、
裏メニューのうどんをすすってるところ、なんてどこかに書いてあった。
着物で無理なく座れるように椅子の幅が気遣われていたり、とか。。

まず、静寂の中で、ぜんざいに入れる細長い餅を焼く。
テーブルの上に置かれた石の鉢の上で。

ぜんざいはもちろん、あまったるくなく、味わい深い。
添えられた漬け物も美味。

餅がふくれあがるのを静かに待つ。

扉の外で鋭さを増す1月の冷気のことを考える。
人の往来のことを考える。

扉の中の静寂を味わう。
清潔な時間がしんしんと過ぎてゆく。

静寂というのは、一刻一刻、味わい深いものだなあ、と思う。
まるで、かたちの違う貝殻をひとつづつ
丁寧に眺めているような感じ。。

木の匂いの中で、餅の、ほのかにこげる匂いが強くなる。







BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2007-01-24 02:09

ronda,andalucia,espana,14:00pm

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はるかスペインの南、
アンダルシア。

風景から、なんだかわけのわからない異常な魅力を感じる。
強力な磁場の存在を感じる。
方位磁針が狂ってしまったように、理屈を受け付けない。

身体から、こころの部分をわしづかみにされて、
この風景に放り投げられてしまったように感じる。
こころが奪われてしまったように感じる。

そして、その状態に、なぜかとても違和感がない。
魂が、やってくる時に、ここを通ってやってきて、
帰っていく時に、ここを通っていくのではないかと思うほど。

強く宗教的なものを感じる。
イスラム教でもキリスト教でもない。
荘厳な物語、宿命性の強い物語の存在をどうしても感じる。


移動中、ipodには7000曲くらい曲が入っていた。
でも、クラッシックも、讃美歌も、トラディショナルなものも、
アンビエントテクノも、
どの音楽も聞く気にならなかった。
音楽ですらも追いついていけない風景。

これがスペインの魅力か、と、
こころのどこかが、ひとつ、生まれてはじめて、はっきりと目を覚ます。


旅に出ると、自分の中で、なにかが音もなく泣き叫びながら生まれる。


やめられるわけがない。







BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2007-01-11 02:54

syourinji,ohara,kyoto,japan 9:00am

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京都、大原の大好きなお寺。

このお寺の天井に使われている板には、
昔血まみれで戦った武士が倒れた時の痕が、
ほのかに残っている。

欲望と、誇りと、無常と、祈り。
緊張と、洗練。
気の遠くなるような時間を費やして
研ぎすまされた美しさ。

静かさが、ただの静かさではない。

こういうものに、正面から面と向かうと、
こっちとしては、
もう、できるだけ、やるしかないなあ、
と、闇雲に思う。

落ち込む資格なんてないなあ、と思う。






BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2007-01-02 21:24