BEAUTIFUL WORLD.

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honfelur,normandy,france 7:30am

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朝日が旧港の町並みにあたる。
昼や夜はあんなににぎやかだった場所が、
しんとしてる。
なによりも水面がしんとしてる。

朝日の赤みが増す。
オンフルールの彩度があがる。
なんだか、映画や演劇やオペラが
自分しかいない場所ではじまってるみたい。

なんだか、ポケットに入りきらないくらいの、
リボンをかけきれないくらいの、
大きなプレゼントをもらったみたい。

地球は、北フランスのすみっこに、
こんな宝物をこっそり用意している。

胸いっぱいになって、
旧港に背を向け、
朝日の中を、
ホテルへ向かう。








BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2006-11-29 03:03 | Comments(6)

peruzia,umbria,italia 15:00pm

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いつまでもたえることなく
ともだちでいよう。
明日の日を夢見て
希望の道を。

この歌詞をつくったひとは
誰だか知らないけれど、
だいじなだいじな友達を失ってしまったり、
深く失望して明日が見えなくなってしまったりした
ひとなんだろうな、と思う。

そうでなければ、こんなシンプルで強いことばを
真正面から書き記せないよなあ、と思う。


イタリア、ウンブリア地方の、首都ペルージャ。
エトルニア時代から続く、丘の上の街。
世界中から留学生を迎え入れているのんびりとした街。

あたたかい午後の平和な日射しにぽかぽかとあたりながら
アイスを食べて、ぼうっとしている女の子ふたり。

なんにもしゃべらなくてもいい永遠みたいなあたたかい時間。

日射しの温度と、アイスの冷たさと、
ふたりの間の暗黙の信頼のぬくもりを、通りすがりに、ちょっと想像する。

でも、彼女達も、いつか、疎遠になったり、離れていったりするのかもしれない。
そして、彼女達も、いつか、いろいろなものを失うんだろう。
多くのひとたちと同じように。

そんなことを考えながら、通り過ぎる。
旅行というは、街を、生活を、人生を、通り過ぎるものだと思う。
じっくりとその空気の中で、暮らすことにも憧れるけど、
この、ふっと通り過ぎる感覚にも、たまらない魅力を感じる。

永遠みたいなあたたかい時間。
たとえ、希望ばかりではない日々がくるとしても。
それは、丘の上の古い街の広場に確かにあって、
そして、その前を通り過ぎる時、
確かに幸せな気持ちになった。


いつまでも、たえることなく、ともだちでいれたらいいと思う。
どんなにいいかと思う。
でも、それは多くの場合、かなわない。
だけど、だからこそ、次にくるフレーズは、
祈るような思いをこめた強いことばが、
どうしても必要だったんだと思う。

明日の日を夢見て、
希望の道を。








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by ayu_transit | 2006-11-25 23:56 | Comments(8)

st-malo,bretagne,france 13:00pm

「のだめカンタービレ」というマンガで、
パリで留学中の主人公の女の子、のだめ(野性的で天才的なピアニスト)が、
ブルターニュのモーツアルト好きの貴族に招待される。

のだめは、彼氏と思い込んでる音大の先輩、
千秋真一(知的で優秀な指揮者、海が苦手)が運転するルノーで、
友人と一緒にブルターニュに出かける。

途中、みんなでサンマロに寄って、海を見に行く。
引き潮のときは道ができる小さな島まで歩いて行く。
海が過剰に苦手な千秋は、おびえて、へろへろになって、
のだめに支えられながら、なんとか島までくる。

へたりこんでしまう千秋に、
ふだん、ギャボーとか、ムキャーとか言ってるのだめが
広がるブルターニュの海を指差しながら、
真顔で、そっと話しかける。

「ほら、先輩、地球ですよ。。。」



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BEAUTIFUL WORLD
by ayu_transit | 2006-11-20 23:01 | Comments(6)

havana,cuba 14:00pm

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とろんした午後の平和なハバナ。
楽しそうになにやらおしゃべりしてる学校帰りの子供。
2階のテラスから、のんびり通りを見下ろすおじさん。
通りのすべてのカフェからは、
洗練された生楽器の演奏が聞こえる。
フルート、ウッドベース、ピアノ。。
ゆっくりなテンポ、すこしはやいテンポ。。
いづれも、ハウスバンドのBGMといったものの
領域を超えている。

たとえば、フルートの伸びやかなハイトーンと
アタックの強い音の粒の際立ち方は、
上手いと感じずに、気持ちいいと感じる。

キューバの優秀なフルートの音に触れるということは、
パリの一流のフレンチを賞味したり、
ドストエフスキーを読んだり、
イタリアの建築やクルマに感化されるのと
まったく同等の「教養」と「経験」だと思う。

つまり、極上の贅沢なのだ。

キューバのお店のたなは、
どこもすかすかである。
アメリカが、従わないキューバに対し
従う国と一緒に経済封鎖をしているからだ。
キューバは、フィデル・カストロとチェ・ゲバラと国民は、
棚にものがないことよりも、
人種差別がなく、階級格差がなく、病院、学校、交通機関が
すべて無料で、子供達には、健康と教養と音楽を
という誇りある生き方を選んだ。

電気や、石油が、足りないから、
彼等は、義足をつけるように、しっかりと音楽を支えにした。

音楽は強度を増し、しななやかさを増した。
音楽が、気持ちがよく、強く、伸びやかでなければ、
ハードな毎日を生き続けていけなかったからだ。

とろんした午後の平和なハバナ。
楽しそうになにやらおしゃべりしてる学校帰りの子供。
2階のテラスから、のんびり通りを見下ろすおじさん。
通りのすべてのカフェからは、
洗練された生楽器の演奏が聞こえる。





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by ayu_transit | 2006-11-19 23:29 | Comments(6)

The Westin Resorts & Spa Los Cabos,los cabos,mexico 13:30pm

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メキシコ、ロス・カボス。
ウェスティン・リゾート。

ごつごつとした岩とサボテンしかない 
<神々の庭>と呼ばれる荒涼とした大地に、
そのホテルはあらわれる。

建築家ハビエ・ソルド・マダレノ氏の「作品」。
「世界でもっともドラマティックな3ホテルのひとつ」として建築家賞を受賞。
(世の中っていろんな賞がある。。。)

大胆に鋭く切り取られた開口は、<ウインドウ>と呼ばれている。
あたりの景観を損ねないように配慮された
土壌と同じ色の巨大なフレームが切り取るのは、
輝く午後のコルテス海。
信じがたいスケールのトリミング。

このホテルで数日過しているうちに、
たくさんの建築家への扉が、バタンバタンと開いていった。

ルイス・バラガン、リカルド・レゴレッタ、
フェデリック・キャンデラ、安藤忠雄。。。
知らない国の言葉の歌が、
すっとこころに入ってくる時みたいに、
やっと彼等と話しができたような気がしてくる。
おもしろくてしかたがない。

洗練と陰影、直線と曲線、色彩と光が
頭ではなく身体の中に焼き付く。

むしろ、うわべの知識だけだった
建築というもの自体の扉がバタンと開く。

巨大な開口から、心地いい風が吹いてくる。





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by ayu_transit | 2006-11-18 09:46 | Comments(8)

TDL 20:30pm

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夢を見る力を現実に使用すると、
しかも容赦なく、潔癖なほど完璧に使用すると、
それは、暗がりの中からあらわれる。

どんなに笑われても、否定されても、
夢を見る力を容赦なく使用すると、
それは、必ず、あらわれる。





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by ayu_transit | 2006-11-12 01:47 | Comments(2)

venezia,italia 16:30pm

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冬の夕暮れ。
なつかしい潮の匂いと、冷たい空気。
カナル・グランデを
タプンタプンと揺れながら走る
ヴェネツィアの水上バス、ヴァポレット。

ヴァポレットは、観光バスではなく、
ヴェネツィアの公共交通機関。
だから、カナル・グランデの右岸に、左岸に、
ひんぱんに停まる。

乗り降りするヴェネツィアに住むひと。
日常のヴェネツィア。
いつものヴェネツィア。

目の前に座ったおじさんは、
見慣れたヴェネツィアを眺めながら、
うとうとしはじめる。

ヴァポレットは、タプンタプンと揺れながら
カナル・グランデをゆく。

おじさんのまどろみの中で、
“いつものヴェネツィア”が
心地よくタプンタプンと揺れる。





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by ayu_transit | 2006-11-02 06:14 | Comments(12)